こんにちは! arikoです。この記事を書いている今、おがさわら丸に乗っています。
東京の南国・小笠原に行くには、唯一の交通手段であるこのおがさわら丸に乗船することになります。出港地である竹芝桟橋からの所要時間はなんと24時間! 丸一日かかります。長時間乗船になるのでなるべく快適に過ごしたいですよね。
今回はおがさわら丸の基本設備の情報と、船内を歩き回って調べた細かいあれこれをご紹介します。旅の準備の参考にしてみてください。
もくじ
おがさわら丸でのお食事事情
おがさわら丸は東京・竹芝桟橋を11時に出航。そこから24時間乗船するので昼・夜・朝と、少なくとも3食はおがさわら丸船内で食事をとることになります。そこでまずは乗船中のお食事事情をご紹介します。
1.「レストランChichi-jima」で食べる
おがさわら丸には全134席の大きなレストランがあります。メニューは定番のカレーやラーメン、オムライス、ハンバーグ定食、唐揚げ定食など種類も豊富です。期間限定メニューもあり、私が乗船した時は刺身定食(1,800円)がありました。
価格感は、高速道路のサービスエリアと同じくらいです(800円~2,000円程度)。
ランチとディナーではほぼメニューは同じ。朝食はメニューが替わり、お茶漬けなどがあります。
2.「展望ラウンジHaha-jima」で食べる
7階建のおがさわら丸。最上階にあるラウンジでも食事をすることができます。売店では焼きそば、お茶漬け、肉まん、カレー、たこ焼き、おでん、ミネストローネや味噌汁などお祭りの屋台で出てきそうなメニューが豊富です。価格も300~800円ととてもリーズナブル。お酒も生ビール、黒ビール、日本酒、焼酎、ワイン、角ハイボールなどとかなり充実しています。
このラウンジは持ち込みでの食事も可能で、乗船客の憩いの場になっています。そのため、すぐそばで宴会が行われていることもしばしばです。
昼過ぎ~夕方は混雑していますが、夜になると比較的空いています。
3.船内の売店で購入して食べる
おがさわら丸船内に「ショップドルフィン」という売店があり、軽食やお菓子、おつまみなどを買うことができます。私が乗船した時は電子レンジで温めるタイプのグラタンやドリア、カップラーメンが売っていました。パンやおにぎりは売られていません。
ここで購入したコーヒーが美味しかったのでおすすめです。
小笠原のちょっとしたお土産も置いてあるので、買い忘れた場合はここでGETしてください。
4.船内の自動販売機で購入して食べる
おがさわら丸船内は自動販売機が充実しており、お茶やジュース、お酒に困ることはありません。カップラーメンも自動販売機で購入することができます。
ホットスナックのお食事系自動販売機もありますが、私が乗船した時には販売が中止されていました。
そのほか、パンやスナック菓子の自動販売機もあります。
5.事前に購入して持ち込む(電子レンジ・お湯完備)
おがさわら丸船内は各階に給湯室があり、自由にお湯を使うことができます。電子レンジもあるので、事前に購入したものを温めて食べることも可能です
おがさわら丸の客室は全部で6タイプ
24時間という長い船旅。プライバシーが確保された個室でゆっくりと休みたい人や、友人同士ワイワイ楽しみたい人、過ごし方は人それぞれです。おがさわら丸には6タイプの客室があるので、予算と希望のスタイルに応じて客室を選ぶことができます。
リッチな完全個室は3タイプ
個室の客室は特等室(スイート)、特1等室(デラックス)、1等室(スタンダード)の3タイプ。いずれも快適なベッドが設置されていてまるでホテルのような内装です。価格は約5万~7万とお高め。繁忙期の7・8月はさらに価格が上がります。ですが、いずれも客室数が限られているため満室になるのも早いです。絶対に個室がいいという方は、予約が開始されたらすぐに予約をすることをおすすめします(予約は乗船日2ヶ月前から可能。ただし、GWやお盆期間などの一斉販売を除く)。
●特1等室(デラックス):定員3名、全24部屋、シングルサイズベッド2台、バストイレ完備
●1等室(スタンダード):定員3名、全39部屋、シングルサイズベッド2台、バストイレは共有
半個室! 寝台が2タイプ
完全なる個室ではないですが、カーテンで仕切れる寝台タイプの客室が2タイプあります。特2等寝台(プレミアムベッド)と2等寝台(エコノミーベッド)の違いはテレビの有無と、特2等寝台の場合はしっかりとした扉で2名利用時にはプライバシーが保たれる点です。
どちらもレディースルームがあるので、女性の方も安心ですね。
一番楽しい! 雑魚寝の和室タイプ
2等和室(エコノミー)が一番リーズナブルな客室です。和室という表記ですが、床はカーペット。10名前後での雑魚寝となります。用意されているのは敷きマットレスと掛け布団、枕です。顔がある方には仕切りがあるので、隣の人と顔が近くて不愉快…といった感じはありません。上部に一人一人荷物を置けるペースとフックがあるので、整理して荷物をおけば、わりと快適に過ごせます。
友人と行く際はもちろんのこと、ここでは同じ部屋になった人との交流も生まれて楽しいので、私は2等和室をおすすめします。小笠原へ行く前にはありがたい情報が得られますし、帰りの便では島で会った人との再会もしばしば。ここでのひと時が、小笠原旅行の思い出の1ページに加わりますよ!
2等和室にはレディースルームとファミリールームも用意されています。
トイレやシャワー、気になる水回りはとても清潔できれい!
丸1日乗船するので、水周りも気になりますよね。おがさわら丸の水回りを写真付きでご紹介します。
清潔なトイレ
ウオシュレット付き、便座除菌可能とおがさわら丸のトイレはとてもきれいです。不潔な感じはありません。女性用トイレには、赤ちゃんのオムツが変えられるオムツ台も1台設置されています。
無料で使える! シャワールーム
おがさわら丸には各階にシャワールームが完備されています。なんと、ありがたいことに無料! リンスインシャンプーとボディーソープ、ドライヤーまで無料で利用できます。逆にいうとそれ以外は何もないので、タオルなどは持参することをお忘れなく。24時間利用できるのもうれしいですね。
小さな子どもがいても大丈夫! ファミリー向け設備
家族旅行で小笠原、素敵ですね。でも気になるのは24時間という長時間を、小さな子どもがいても快適に過ごせるかという点だと思います。ですが、心配ご無用。おがさわら丸はご家族連れにとても優しい船です。
外の景色も見えるキッズルーム
4階にキッズルームがあり、ちょっとしたおもちゃや絵本も置いてあります。ここならどれだけ騒いでも大丈夫。もしかすると友達ができるかもしれません。私が乗船した時は、キッズルームで子ども同士が一緒に遊んだことで仲良くなったというご家族連れに出会いました。
これから始まる旅のはじめに素敵な出会いがあるのは、子どもたちにとってもうれしいことですよね。
広くて清潔な授乳室
4階に綺麗な授乳室が完備されています。壁とカーテンで仕切れる個室があるので、お母さんも安心して授乳することができますね。授乳室の中には水素水サーバーと電子レンジも置いてあるので、ミルクを作ったり温めたりすることも可能です。
ファミリールーム
2等和室には家族連れのためのファミリールームも用意されています。予約する際にファミリールームを選択して予約してくださいね。
客室以外で時間を過ごせる場所の紹介とメリット・デメリット
24時間という長い船旅。ただ寝るだけ、ぼーっとするだけでは時間が長過ぎます。本を読んだり友達と話したり、はたまた仕事をしたりと、いろんな過ごし方があると思いますが、ここでは客室以外で時間を過ごせる場所を紹介します。
それぞれに特徴があるので、落ち着ける場所を探してみてくださいね。
展望ラウンジHaha-jima
お食事事情のところでも紹介した最上階の展望ラウンジHaha-jimaです。長いカウンター席では窓の外に広がる大海原を眺めながらゆっくり過ごすことができます。東京→小笠原の場合は進行方向右側のカウンター席がおすすめ。海に沈みゆく美しい夕陽を見ることができますよ。先述のとおり、ここは乗客の憩いの場になっているため静かではありません。ですが気にせずおしゃべりができる場所としては快適です。売店は21:00で閉店しますが、ラウンジ自体は小笠原ないし竹芝桟橋に到着するまでずっと使えます。
デメリット:宴会をしている集団がいるとかなり騒がしい
ミニサロン南島
3階にあるミニサロン南島はとても落ち着いた場所です。自動販売機コーナーを併設しており、飲み物やカップラーメン、アイスはすぐに買うことができます。カウンター席には電源コンセントもあるので、パソコン等での作業をすることもできます。
デメリット:いすに背もたれがないため落ち着つかない、窓がなく少し閉鎖的なイメージ
外部デッキ
天気が良ければ外部デッキに出てみてください。大海原をゆく爽快感を全身で味わえますよ。とても気持ちがいいです。丸テーブルといすがいくつも用意されているので、ここで何かつまみながらおしゃべりするのも楽しいです。
デメリット:洋上を行くので風が強い、寒い場合がある
休憩コーナー
4階と5階の中央部に何ヶ所か休憩スペースがあります、机はありませんが椅子がいくつか並んでいて、新聞や雑誌など自由に読むことができます。
デメリット:隣の人が近い、人の出入りが激しい
乗船中も仕事ができるか!? おがさわら丸船内で作業できる場所・Wi-Fi・電源コンセント事情
さて、次は気になる人も多いであろうWi-Fiや電源コンセント事情についてです。
おがさわら丸にはWi-Fi設備なし! 電波は東京湾を抜けるまで
東京・竹芝桟橋を出航してもしばらくは問題なく電波が入ってきます。私の場合は2時間半ほどは電波が届きました。東京湾を抜けるあたりから徐々に弱くなってきて、最終的には全く電波が入らなくなります。おがさわら丸にはWi-Fi設備はなく、ネット環境が完全に遮断された状態になります。
メールも含め日常的にインターネット環境にいることに慣れてしまうと、連絡手段が途絶えてしまうのは少し不安になりますよね。ですが、これはまたとない良い機会。インターネット社会から離れた時間を楽しみましょう。
電源コンセントは結構ある
インターネット環境はありませんが、おがさわら丸には電源コンセントはいたるところにあります。ミニサロン南島、展望ラウンジHaha-jima、各客室、廊下、更衣室の中など、探せばどこかしらは電源コンセントを利用できるはずです。2等和室だけは部屋の端に1ヶ所あるだけなので、同室の人と譲り合って使いましょう。
その他の細かい設備
おがさわら丸には他にも、下記のような設備が整っています。
・貴重品ロッカー(無料)
・冷蔵ロッカー(500円)
・ペットルーム
・喫煙室
・両替機
・公衆電話
・エレベーター(4~7階のみ)
・交通系電子マネー清算(Suica、PASMOなど)※船内でチャージはできません。
意外と重要!? おがさわら丸を快適に過ごすためのプチ情報
最後に、私が乗船して実際に体験して学んだことをご紹介します。24時間という長い船旅を、より快適に過ごすためのヒントにしてみてください。
船内は意外と寒い
季節にもよるかと思いますが、船内は意外と寒い場所が多かったです。2等和室にもエアコンがついていますが管理者制限がかけられており、勝手に設定を変えることはできません。ミニサロン南島や展望ラウンジHaha-jimaも、寒過ぎることはありませんが場所によっては冷たい空気に触れる場所もありました。心配な方は、暖かい羽織ものを持って行くことをおすすめします。
就寝時、付属の掛け布団だけでは寒い場合は毛布を200円で借りることができるので、必要に応じて利用してみてくださいね。
昼から宴会が始まる場所多数
出航直後からお酒を飲み始める人がわりといます。いたるところで楽しげな声があふれていて、一気ににぎやかになります。もしも乗船中に作業や仕事をしようというつもりでしたら、静かな場所を探すのは難しいと思っていた方がいいです。どうしても静かな環境を希望するなら、個室を予約することをおすすめします。
わりと揺れる! 酔い止めを準備しよう
東京湾を抜けて外洋に出ると、おがさわら丸も結構揺れることがあります。もちろん海況によりますが、敏感な方は酔い止めを飲むことを忘れないでください。せっかくの旅が船酔いで最悪のスタートになっては残念です。
船酔いは「船酔いしたらどうしよう…」という精神的な部分もかなり影響しますので、少しでも心配な方は酔い止めを飲んでください。ちなみに、おがさわら丸船内では購入することができませんのでご注意を。
必要なものを準備して素敵な船旅を
おがさわら丸船内設備と、私が実際に乗船して体験したことをもとに、快適な船旅のヒントにしてほしいことをご紹介しました。現在就航しているおがさわら丸は、2016年に完成した比較的新しい船です。私はこれまで橘丸やさるびあ丸など、他の伊豆諸島に行く船に何度も乗船していますが、おがさわら丸が圧倒的に一番きれいで快適です。だから船旅に慣れていない方も安心してください。想像以上の快適さに驚くと思います。
丸1日船に乗らないと行けない場所は、日本では小笠原だけ。おがさわら丸に乗船した瞬間から旅は始まっています。
快適な船旅で、日本一の楽園へ。行ってらっしゃい!